始めに
こんにちは。少しずつ秋らしくなってきた今日この頃。来週は猛暑も落ち着いてきて、人肌恋しい季節となってきますね…
益々深まる読書の秋…9月10日にやっと!ずっと待ち望んでいた作品が文庫化発売されました!!
青山美智子さん作『赤と青とエスキース』(PHP文芸文庫)です。
他の記事にもあるように、青山美智子さんの作品が大好きな私。どの作品も、一つ一つの言葉が優しく紡がれている、温かい作品ばかりです。
更に!『赤と青とエスキース』は、その中でも最も深い慈愛に満ちた作品のように感じます。読み始めたらもう、止まらない!!小さいころから読書が大好きな私が、10年ぶりに2日で読み終わってしまうほど、引き込まれました。
そして、「本当に心から人やものを大切に思うとは、どういうことなのか」を改めて考えさせられるような、かけがえのない一冊です。
大切な人や、物の存在がある人、恋愛に日々悩んでいる人、今はまだ何も持っていないと思う人も…
大切にし続けたり、見つけたりしていくための後押しをしてくれるような内容となっています。
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『赤と青とエスキース』は仕掛けに満ちた物語
この物語は、他の青山美智子さんの作品同様、複数の短編が合わさって成り立っています。そのすべてが「赤と青」を連想させるようなタイトルです。そしてエスキース。エスキースとは絵の本番を書くために最初に描く下絵のことなんだとか。本を読み終えた時、そのタイトルが意味する真実を知ってさらに涙が止まらなくなりました。
言葉の意味や文章、色による表現の全てから愛情が滲み出ているような温かさが伝わってきて止まない、そんな物語です。
『赤と青とエスキース』は愛に満ちた物語
物語が展開していく中で、人も物も唯一無二の存在であるというメッセージが何度も伝わってくる描写があります。本作でいう、物とは額縁に納まっている絵画のことを指しますが、額縁と絵画の関係性や成り立ちを人間であるかのように表現しているのです。
額縁と絵画の組み合わせによって、受ける印象が違うように、私たちは一人一人、好きなものも生き方も別々の人間で、気があったり、違和感を覚えたりしますよね。衝突や葛藤が生まれたり、自分の思うようであってほしいと思うことを愛と勘違いしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、本当に、ありのままの相手を見て、感じて、心からしっくりくる組み合わせになった時、自然と信頼することができてほっとするような、優しい気持ちになれるのではないでしょうか。
物語の最大の魅力は、何と言っても、人がそれぞれありのままに人やもの、夢などを大切にしたいと思っているということを、尊重して優しく抱きしめてくれているような安心感を覚えるところなのではないかと感じます。
まとめ
いかがでしたか?これを読んでくれた皆さんにも、それぞれ大切な人や物の存在がそばにあるのではないでしょうか。大切に思う気持ちを知っている皆さんなら、『赤と青とエスキース』は心にドストライクの忘れられない一冊になること間違いなしです!
そして、私がこうして書いている今もなお、恋愛や自分の夢に悩んでいる人もいるかもしれません。大切に思う気持ちが本当のものなのか、わからない時もあるかもしれません。人や物ごととの関係を通して、「自分の気持ちがわからない」というのが一番もやもやしたりしますよね。
そんな時にこそ、是非一度もんもんとするのをやめて、『赤と青とエスキース』を読んでみてほしいのです。
あなたが本当に心から向き合いたい相手や、やり抜きたいことをクリアにし、優しく背中を押してくれるような、愛に満ちたエールを受け取れますよ。
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