始めに
こんにちは。今回は、初めて読んだ作家さん、吉田篤弘さんの『何事もなく、晴天。』(中公文庫)をご紹介します。
ずっとSNSで知った時から気になっていた、本作。先日本屋に行った時にふと文庫本コーナーをみると、、、心がほんわかするような、優しい雰囲気の切り分けられたケーキを見つけたわけです。表紙の、「今いる場所を大切に想う勇気をくれる」という言葉にもぐっとくるものがあり、購入しました!!
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内容もまさに、「今いる場所を大切にしたくなる」ということそのものでした。
*こんな方には特におすすめです*
*何となく日々が過ぎているように感じる人
*もっと気持ちをゆるやかにして過ごしたい人
*日々の楽しみになるような本を探している
皆さんは普段生活していて、日々が何も変わり映えなく過ぎていて、つまらなく感じることはありますか?
私は小さい娘と自宅保育の日々。正直、三年目にもなれば毎日同じことの繰り返しのように感じてしまうこともしばしば。育児ではなくても、同じように「何もなくただ過ぎた一日」と思うことがある人も、少なくないのではないでしょうか。
しかし、私は本作を読んで、「やっぱり、全く同じ日なんてないなぁ」と改めて実感することができました。「何も変わり映えがない」というのは、何においてそう感じるのか?果たして、本当にそうなのか?
そう、自分に問うきっかけになってくれる一冊です。
『なにごともなく、晴天。』は最も意味のある事を教えてくれる
本作の中で、最も心に響いた言葉があります。
(P213)何かとても安心なものを、もう一度見つけなおしたよな思いになった。
これは主人公が、とある人のことを考えながら(「あの人は今この辺にいて、こんなことをしているかな」と想像しながら)、自分も何か別の行動をしているという場面で感じたことです。
特に何か特別なことをしたわけではないかもしれませんが、大切な人のことを想っているこの間にも、自分自身もこの居場所にいて、何かをしているということを感じる。それは改めて自分が相手を好きだと思っていることや、この場所にいて、ほっとしているということを再確認しているように思います。
このように、日常の中でふとそんな安心や幸せに気が付けることは、何も変わり映えのない、つまらない日々ではなく、最もいみのあることですよね。
『なにごともなく、晴天。』は人を想うことを教えてくれる
主人公が、上記にも書いた好きな相手のことだけでなく、離れて暮らしている家族や頻繁に会っている身近な人たちのことを考えるシーンがたくさん登場します。
何気ない日々を過ごす中で、他の誰かに思いを馳せているのです。そして実際に会って話したり、話を聞いたりして、自分の気持ちを再確認しているような場面もあります。
そうやって人を想ったり、人に会ったりしているうちに、自分の中にたくさんある考えが整っていくことで自分の居場所を感じ、安心できる。人と関わること、想うこと、想われることは、とても有意義なことなんだなと、そっと気が付かせてくれるのです。
まとめ
いかがでしたか?ふとしたときに、「今日も特に何も変わらなかったな」と思うことは、きっと誰にでもあるかもしれません。そんな時にこそ、是非『なにごともなく、晴天。』を手に取ってみてほしいのです。読み終えたときに思ったことや行きたくなった場所、会いたくなった人がもしいたら、今の居場所を再確認できた、かけがえのない日になるかもしれませんよ!!
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