始めに
こんばんは。ずっと続いていた茹だるような暑さも、ようやく落ち着きを見せてきましたね。と言っても、台風の多い季節。気温にも影響があるようですね。台風が多くなってくると、秋の訪れを感じます。
今回はそんな秋の夜長の始まりにぴったりの一冊をご紹介します。
標野凪さんの『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。』です。
私も心救われた、喫茶ドードーシリーズの三作目となります!!
いつだって喫茶ドードーでひとやすみ。 (双葉文庫) [ 標野 凪 ] 価格:693円(税込、送料無料) (2024/9/6時点) 楽天で購入 |
突然ですが、皆さんは自分の幸せについて考えたことはありますか?
「そんな突然聞かれても、、、」と思いつつも、誰だって「幸せだなぁ」と感じる瞬間はありますよね。でも、残念ながら毎日それだけを感じながら過ごすことはできません。
喫茶ドードーシリーズが描いているのもまた、新型コロナウィルスの流行によって脅かされた日常に悩む人々の姿です。
少しずつ過ごしやすくなってきたこの機会に是非、秋の夜長の読書に『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ』を読んで、脅かされてしまった幸せはどうしたらアップデートできるのかを考えてみませんか?
『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ』ーそれぞれの幸せのかたち
本作の中で、最も心に残った言葉があります。
幸せのかたちはひとそれぞれだ。(P233)
という、喫茶ドードーの店主、そろりの考えが書かれたシーン。
喫茶ドードーにやってくる、悩める登場人物たちを心温まるメニューと言葉で励ましてきたそろり。あそんな彼もまた、周囲との距離感や自分の生き方に悩む一人だったのです。
今まで当たり前のようにあった日常、感じていた幸せ。それが突然流行した新型コロナウィルスによって絶たれてしまったこと。会いたい人や見たいもの、行きたい場所。たくさんあるのに、それが普通に実現できないことは、多くの人を苦しめたのではないでしょうか。
でも、少しずつ時間が流れ、人はまた「普通」を実現できるようになってきました。
ただ、人によってその実現の仕方や基準が、変わってしまったと感じることがよくあります。「テレワーク」がその例なのではないでしょうか。やはりそれだけ、歴史に刻まれるような大きな出来事を経たからなのでしょう。
「人によって違う」からこそ、齟齬が生じて悩んでしまうこともあるかもしれません。でもそんな時に、そろりのように「自分の幸せは自分が感じていく中で見つけるもの」そう思えたら、少しは身軽になれるのではと感じます。
『いつだって喫茶ドードーでひとやすみ』ー前二作と照らし合わせてみて
今回が三作目となった、喫茶ドードーシリーズ。前二作の魅力を引き継ぎつつも、複数の登場人物たちが同時並行で登場して物語が展開していくというところが最大の相違点なのではないでしょうか。同時並行でそれぞれ気づきを得て、自分の幸せに気が付いていく様子があり、「幸せのかたちはひとそれぞれだ」ということが表現されています。
前二作から引き継がれている魅力について興味を持っていただけたら、是非こちらも一緒に読んで頂けると楽しめるかと思います♪
まとめ
いかがでしたか?これまで、新型コロナウィルスの流行を経て、多くの人が考え直したであろう、「生き方」について書かれてきた、喫茶ドードーシリーズ。人との距離感や、自分にとって心地よい暮らし方、そしてそれらをひっくるめて実感する、自分ならではの幸せのかたち。皆さんの中には、そのかたちは定まっているでしょうか?
そんなこと言われても、簡単に決められることじゃないですよね。日々はやはり色んなことが一体となって存在するもの。自分の幸せばかりを求めているわけにもいきません。
しかし、逆に言えば、周囲の人や事ばかりを考えて自分のことを後回しにしすぎてしまうこと。
そんな恐ろしいことはないと思います。時には目の前のことから離れ、足をとめ、あなた自身がありのままでいられる人や事、場所に目を向けてみてくださいね。
本当の幸せを実感できた方が、他に目を向けなければならない時に、心から向き合えるのではないでしょうか。
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