はじめに
こんにちは。初夏を思わせる陽気の日もあれば、季節が逆戻りしたかのように感じる日もある今日この頃。安定的な気候になるのはもう少しさきでしょうかね…!!
読書というものはどんな気候でも楽しめるので、いつでもどこでも楽しめる趣味をもってよかったと感じる日々でもあります。
今回も青山美智子さんの作品をご紹介します。
『猫のお告げは樹の下で』、『鎌倉うずまき案内所』同様、彼女の作品の中でファンタジー要素が詰まった一冊となっています。「現実的過ぎるのも、完全にファンタジーの世界に入りすぎるのもなんか違う、、、程よく二つの要素が入っている作品を読みたい!」
そんな風に感じている方には特におすすめしたい一冊ですので、是非手に取ってみてくださいね♪
青山美智子ワールドの中で最もキュート!?な神様
皆さんは、普段モヤモヤしていることがあるけれど、変化を起こそうと行動する勇気がなく、理想と現実の間で嘆いてしまうようなことはあったりしますか?
私はめちゃくちゃあります(笑)本当はよくないとわかっているのに、別に変えなくても特別くるしいわけじゃない。そう思っているうちになんとなく時間が過ぎていくんですよね、、、
本作でも、そんな「モヤモヤ」を抱えた人物たちが登場します。
そしてある日突然、順番に彼らの前に「神様」だというとてもキュートなおじいさんが表れるのです!!まさにファンタジーの世界!!しかもこちらの神様、とても厄介なんです。とにかく彼らの体を使って、とんでもない行動を取ってしまうのです、、、
しかしそんな自由奔放な神様と関わっているうちに、彼らはあることに気が付きます。
神様がしていた、思わず「やめて~うそでしょ!?」と叫んでしまいたくなるような行いは、実はずっと自分が勇気が出なくて動けずにいたことだったのです。
文章を読んでいるだけでも、話し方やしぐさがとても可愛らしいとかんじてしまうような神様でも、ちゃんと意味のあるエールを彼らに送っていたのかもしれません。
ファンタジー×現実な青山美智子ワールド
神様との関わりの中で自分の本当の思いに気が付くことができた登場人物たち。彼らの体を使ってとった行動は、彼ら自身の行動として(周囲は神様が移入しているだなんて思っていません)、周囲の人々との関わりにつながっていきます。そうなって初めて、今まで知らなかった周囲の思いも知ることになるのでしょうね。
本作はそんな神様の存在と、現実を見つめなおす人物たちの思いが融合して出来上がった一冊なのではないかと感じます。
青山美智子さんの作品で、ファンタジーと現実的な要素の融合作品と言えば、やはり『猫のお告げは樹の下で』、『鎌倉うずまき案内所』があげられるのではないでしょうか?
どちらの作品も、悩める特定の人だけが出会える猫であったり、アンモナイトや双子のおじいさんであったり。悩んで悩んで、それでもうまくいかないことが時に、私たちは他者とぶつかってしまったり、現実逃避してしまいたくなったりする時がありますよね。
そこに少しファンタジー的な要素を取り入れることで、面白さや癒しも体感することができます。ただそれで終わりなのではなく、登場人物たちは読者が共感しやすい、似たようなことに悩んでいる現実に戻り、振り返り、新たな気付きを得る。
青山美智子さんの作品は、人を癒し、前を向くパワーをくれるように感じます。
まとめ
いかがでしたか?ファンタジー要素があるけれど、現実逃避なのではなく、現実と向き合うためのファンタジー要素を取り込んでいる青山美智子さんの作品の良さが伝わったでしょうか。
誰だってずっと調子がいいわけではなく、誰かと、何かとぶつかってしまう時もあります。そんな時、リラックスしながらもヒントになるような物語があったら、明日も頑張れそう、、、もし少しでもそう思っていらっしゃる方がいるのなら、是非青山美智子さんの作品をおすすめしたいです。
ただいま神様当番 (宝島社文庫) [ 青山 美智子 ] 価格:779円(税込、送料無料) (2024/4/5時点) 楽天で購入 |
コメント